寝袋選びって、めちゃくちゃ難しくないですか?
見ても違いが分からないし、スペックだけじゃ本当に大丈夫か不安になりますよね。
実際に使ってみて「失敗した…」と感じる人も少なくありません。
僕自身、ソロキャンプを始めたころは何度も失敗しました。
寒くて眠れなかったり、逆に暑すぎたり…。
結論から言うと、初心者が最初から完璧な寝袋を選ぶのは、ほぼ不可能です。
でも安心してください。
この記事を読めば、寝袋の選び方が分かり、失敗を減らすことが出来ます。
僕自身が失敗してきたからこそ、これから始める人には遠回りしてほしくありません。
一緒に寝袋の選び方を見ていきましょう!
寝袋選びに必要な3つの基礎知識
初心者さんに「最低限知ってもらいたい」基礎知識を3つお伝えします。
性能の目安:快適使用温度と下限温度

寝袋には快適使用温度と下限温度という性能指標があります。
快適温度をチェックすれば、どの季節で使うのが適切か判断できます。
- 快適使用温度(コンフォート温度)…一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域(男性の場合、-5℃した温度が快適使用温度)
- 下限温度(リミット温度)…一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度域
引用:NANGA公式サイト
例えば快適使用温度が22℃なら、男性の場合17℃が快適使用温度となります。
(NANGAの場合)
下限温度での使用は寒すぎて危険です。
必ず快適温度を基準に寝袋を選んでください。
快適使用温度はあくまで目安と考えましょう。
形状の違い:封筒型、マミー型、セミレクタングラー型
寝袋には、封筒型とマミー型、セミレクタングラー型の3つの形状があります。
封筒型(レクタングラー型)
内部はゆったりとしていて動きやすいのがメリットです。
夏場の暑い時期でも1枚に開いて掛布団として使えます。
デメリットは肩口を絞ることができないため、寒い時期のキャンプには向いていないこと。
マミー型と比べて嵩張ることがあげられます。
封筒型はゆったりしてて快適ですが、秋口のキャンプでは少し肌寒く感じました。
春〜夏なら、気持ちよく眠れます。

マミー型
ミイラっぽい見た目になる寝袋です。
頭から足まで覆うことができ、暖かく軽量なのがメリット。
体に密着する分、暖かさをしっかりキープできます。
真冬はもちろん、春や秋の山地ならマミー型がおすすめです。
封筒型に比べて窮屈になるのがデメリットです。
厳冬期のキャンプはマミー型が暖かくておすすめ。
入った瞬間に暖かく、幸せな気持ちになれます(笑)
セミレクタングラー型
マミー型と封筒型を合体させた寝袋。
頭はマミー型のフード、胴から足元部分は封筒型のゆったりとした形状です。
封筒型の快適さとマミー型の耐寒性をある程度両立できるのがメリット。
フード部は取り外せるモデルも有り、幅広い期間使えます。
内部空間が広いため熱が逃げやすく、耐寒性がマミー型に劣るのと、嵩張るのがデメリットです。
マミー型の窮屈さは嫌だ…!
こんな方にピッタリな寝袋です。
中綿の種類:ダウンと化学繊維
寝袋の中綿にはダウンと化学繊維の2種類があります。
- ダウン…鳥の羽毛を加工したもの
- 化学繊維…ポリエステルやナイロンなどの素材を加工したもの
ざっくり比較してみるとこんな感じです。
ダウン | 化学繊維 | |
---|---|---|
価格 | 高価 | 安価 |
収納性 | 小さい | 大きい |
重さ | 軽い | 重い |
保温力 | 高い | 低い |
水濡れの影響 | 保温力低下 | 保温力キープ |
保温力の高さ、軽量コンパクトさを求めるならダウン。
価格の安さを最優先するなら化学繊維一択です。
化学繊維の寝袋は保温力が低いため中綿の量が多くなります。
ダウン寝袋と同等の性能にする場合、収納サイズが1.5倍~2倍ほどの大きさとなるため、持ち出しや保管が大変です。
寝袋選びで失敗を減らすためのポイント
全季節分を一気に揃えない

暑がりか寒がりか、寝るときは厚着か薄着が良いのか、人によってそれぞれです。
まずは寝袋を1つ買って使って、寒かったのか、暑かったのか…?
その感覚を基準に買い足していきましょう。
そうすれば自分に合った寝袋を必要なだけ揃えることができ、無駄な買い物をしなくて済みます。
僕の場合は計3つに落ち着きました。
春秋×1、夏×1、冬(極寒地)×1
寝袋を買いすぎると、お金のほかに保管場所も取られるので注意です。
キャンプ場の最低気温を確認する

寝袋選びで失敗を防ぐには、キャンプ場の最低気温を確認することが重要です。
夜間の睡眠時は体温と外気温が共に最も下がるタイミングのため、この時の気温に対応できない寝袋では快眠できません。
標高100m上がるごとに気温は0.6℃下がるため、自宅では暑くてもキャンプ場では寒かった…なんてことも多々あります。
標高0mで30℃の場合
標高1000mのキャンプ場では「24℃」
キャンプ場の最低気温を確認しておくことで、寝袋選びの失敗を減らすことができます。
キャンプ場の最低気温はこちらから確認しましょう。
キャンプ場・天気施設情報 – 日本気象協会 tenki.jp
キャンプを始めたころは気温をあまり考えずに寝袋を選んでしまい、朝4時ぐらいになって寒くて起きたことが結構ありました。
キャンプ場の最低気温を確認して、寝袋を購入することが重要です。
適切なサイズを選ぶ

サイズが小さすぎると窮屈に、大きすぎるとスカスカになり保温力が低下するため、適切なサイズを選ぶ必要があります。
身長+5cm~10cmまでであれば、程よいサイズ感です。
メーカーによっては最大肩幅の表記もあるため、併せてチェックできるとなお良し。
ただし、真夏のキャンプでは大きめの寝袋をおすすめします。
空間に余裕がある分、熱がこもらず快適に眠ることができます。
氷点下になる冬キャンプでは、寝袋のサイズ選びが特に大事です。
大きすぎると体温が逃げやすくなって、せっかくの保温性能が発揮されません。
体にほどよくフィットするサイズを意識して選ぶと安心です。
季節別の寝袋チョイス
キャンプを6年続けてきた今、もし僕がもう一度イチから寝袋を選ぶならどれを選ぶか?
そんな視点で、季節ごとのおすすめをまとめてみました。
口コミや公式サイトの情報も踏まえつつ、キャンプ経験者目線で厳選しています。
この中から選ぶのもアリ。
性能を参考にして、自分好みの寝袋を探しに行くのもアリ。
ぜひ、寝袋選びの参考にしてみてください。
僕はNANGAのデザインが好きで、ついNANGA多めになっちゃいました(笑)
カラーや質感って、使ってると意外とテンション上がるんですよね。
【春】3月~5月向けの寝袋4選

春といっても、キャンプ場では夜になると気温が10℃前後まで下がることもあります。
そのため、快適温度が0℃〜5℃程度の寝袋を選ぶのがおすすめです。
昼間との気温差が大きい時期なので、「少し暖かめ」を意識すると失敗しません。
5月に初キャンプしたとき、昼は暑くて夏用寝袋で寝たんです。
そしたら夜は寒くて起きることもありました。(笑)
今となってはいい思い出ですけど、春キャンプは油断禁物ですね。
ナンガ 別注 アルピニスト600

【使用温度】:快適温度:5℃/下限温度:0℃
【サイズ】:180長さ x 77.5幅 cm
【総重量】:約1,100g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ19×35cm
オリーブ、グレー、ブラックなど、落ち着いたカラーがあるのがGood!
蛍光樹脂の噛み込み防止ジッパーで夜は見やすく、収納時丸めるのに便利なベルトがついています。
ナンガ×3ten オーロラテックス 450DX カーキ 特注カラー

【使用温度】:快適温度:0℃/下限温度:-5℃
【サイズ】:レギュラー(”身長175cmまで” 最大長210cm×最大肩幅80cm )
【総重量】:1000g
【中綿】:760FPスパニッシュダウン(ダウン)
【収納サイズ】:φ17×29cm
ダウンが故にコンパクト。蛍光樹脂の嚙み込み防止ジッパー装備。カラーは艶消しのカーキとベージュの2種類。
トンデモ価格なのがネックですが、性能は間違いないです。
イスカ アルファライト 500X
【使用温度】:快適温度:表記無し/下限温度:0℃
【サイズ】:81(肩幅)×203(全長)cm
【総重量】:1000g
【中綿】:Micro Lite™ (化学繊維)
【収納サイズ】:φ18×34cm
足元部分には、多めの保温材を使用して保温性を向上させているため暖かいです。
また、上部に余裕を持たせた「3Dシルエット」で適度なゆとりがあります。
ナンガ APPROACH SYNTHETIC FIBER600

【使用温度】:快適温度:5℃/下限温度:0℃
【サイズ】:レギュラー(”身長178cmまで” 最大長210cm×最大肩幅80cm )
【総重量】:980g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ18×33cm
アルピニスト600と性能は同じですが、肩幅にゆとりがあります。
ツートーンカラーがおしゃれです。
【夏】6月~8月向けの寝袋4選

夜は心地よく過ごせる時期ですが、標高や天候によって体感温度が大きく変わります。
真夏であれば標高の低い平野部のキャンプ場では、タオルケットで十分なことも。
一方、標高の高いキャンプ場では、思いのほか冷え込むこともあるので、軽めの寝袋を1つ準備しておくと安心です。
真夏のキャンプでは、封筒型の寝袋を掛け布団のように使うことが多いです。
夏は“温度調整しやすさ”がポイントです。
Nature Hike LW180
【使用温度】:快適温度:22℃/下限温度:15℃
【サイズ】:75(肩幅)×190(全長)cm(M)
【総重量】:約680g(M)
【中綿】:Hollow Cotton(化学繊維)
【収納サイズ】:φ12×29cm
収納袋の4つの紐を絞ると、ハンドボールほどに圧縮され非常にコンパクトになります。
余裕を持たせたい方はLサイズがおすすめです。
キャプテンスタッグ プレーリー
【使用温度】:使用温度目安(約):15℃~(快適温度、下限温度の表記無し)
【サイズ】:75長さ x 185幅cm
【総重量】:約900g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ20×38cm
ホームセンターなどで売られている、定番中の定番。
収納サイズが若干大きいものの、1000円代という圧倒的低価格は魅力です…!
コールマン パフォーマーⅢ/C15
【使用温度】:快適温度:15℃以上/下限温度:表記無し
【サイズ】:約80×190cm
【総重量】:約890g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ16×40cm
収納時に丸めやすくするため紐や、嚙み込み防止ジッパーを装備。
3000円代でこの機能がついてるのはすごいです…!
Snugpakトロピカル マミー
【使用温度】:快適温度:7℃/下限温度目安:2℃
【サイズ】:約80×220cm
【総重量】:900g
【中綿】:Travelsoft ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ14×29cm
夏用では珍しくマミー型です。
「気温20度弱で使用した」、「外気15℃ほどのキャンプ場で使用した際、足元まで暖かく眠ることが出来た」
という口コミがあるため、夏用寝袋として選びました。
【秋】9月~11月向けの寝袋3選

9月中旬を過ぎると、標高の高いキャンプ場では夜の冷え込みがぐっと増します。
11月末には、氷点下近くまで下がることもあるほどです。
気温的には春と似ているため、「【春】3月~5月向けの寝袋」を持っていれば、そのまま活用できます。
厚着や毛布、使い捨てカイロ、湯たんぽなどを保険として持っていくと安心です。
この季節の夜は一気に冷えるんですよね。
僕は薄めのフリースや、上着を寝場所の横に置いておくようにしてます。
寒いときは着て寝袋に入ったり、足元に掛けたりしています。
ナンガ×3ten オーロラテックス 450DX カーキ 特注カラー

【使用温度】:快適温度:0℃/下限温度:-5℃
【サイズ】:レギュラー(”身長175cmまで” 最大長210cm×最大肩幅80cm)
【総重量】:1000g
【中綿】:760FPスパニッシュダウン(ダウン)
【収納サイズ】:φ17×29cm
春用寝袋でも紹介させてもらった寝袋です。
ダウンが故にコンパクト。蛍光樹脂の嚙み込み防止ジッパー装備。
ヒートテック、スウェット等で厚着すれば気温5℃下でも快適と口コミがああり、秋でも十分使える性能を持っています。
イスカ アルファライト700X ブラウン
【使用温度】:快適温度:表記無し/下限温度:-6℃
【サイズ】:81(肩幅)×203(全長)cm
【総重量】:1300g
【中綿】:Micro Lite™ (化学繊維)
【収納サイズ】:φ21×43cm
足元部分には、多めの保温材を使用して保温性を向上させているため暖かいです。
「3Dシルエット」で適度なゆとりもあります。
キャンプに合うブラウンカラーなのが嬉しいですね。
キャプテンスタッグ フォルス UB-34
【使用温度】:快適温度:4℃/下限温度:-1℃
【サイズ】:幅:肩80・足先50、長さ:220cm
【総重量】:1500g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ23×39cm
ジッパーが噛みやすく、収納サイズが大きく場所を取ります。
とはいえ、価格を最優先したい…そんな方にイチオシです。
【冬】12月~2月向けの寝袋5選

標高の高いキャンプ場はガッツリ氷点下になる厳しい季節。
平野部でも気温一桁代は当たり前です。
快適に眠るためには高性能な寝袋が必要になるため、価格も上がります。
冬の季節の寝袋選びはシビアです。
今までの経験から【想定使用温度】の項目を追加しました。
キャンプ場の最低気温と照らし合わせて、参考にしてください。
ナンガ×3ten オーロラテックス 600DX カーキ 特注カラー

【使用温度】:快適温度:-6℃/下限温度:-11℃
【サイズ】:レギュラー(最大長210cm×最大肩幅80cm ”身長175cmまで”)
【総重量】:総重量1200g
【中綿】:760FPスパニッシュダウン(ダウン)
【収納サイズ】:φ18×30cm
【想定使用温度】0℃~-5℃
12月末の山間部、1~2月は標高の低い場所なら使用できる性能です。
蛍光樹脂の嚙み込み防止ジッパー装備で、寝袋に入るときのストレスがありません。
超撥水生地を使用しており、結露した水滴が寝袋に落ちて来ても、問題なく使用できます。
ナンガ×3ten オーロラテックス 800DX カーキ 特注カラー

【使用温度】:快適温度:-9℃/下限温度:-17℃
【サイズ】:レギュラー(最大長210cm×最大肩幅80cm ”身長175cmまで”)
【総重量】:総重量1350g
【中綿】:760FPスパニッシュダウン(ダウン)
【収納サイズ】:φ22×34cm
【想定使用温度】-5℃~-10℃
実際に所有して使っている寝袋です。
長野のキャンプ場にて-9.2℃の中、厚着をした状態で快適に眠ることが出来ました。
0℃ぐらいですと、薄着で丁度良いほど暖かく、1月~2月のキャンプでこの寝袋があればまず安心です。
蛍光樹脂の嚙み込み防止ジッパー装備、超撥水生地を採用しています。
イスカ アルファライト1300EX インディゴ

【使用温度】:快適温度:表記無し/下限温度:-20℃
【サイズ】:84(肩幅)×211cm
【総重量】:総重量1960g
【中綿】:Micro Lite™ (化学繊維)
【収納サイズ】:φ28×46cm
【想定使用温度】:-5℃~-10℃
-6℃でヒートテック上下にコットンTとマイクロフリース1枚で快適でしたと口コミ有。
1月~2月のキャンプで余裕で使える性能で、お財布に優しいです。
収納サイズが大きく嵩張るのが難点ではあります。
コールマン タスマンキャンピングマミー L-15

【使用温度】:快適温度:表記無し/下限温度:-15℃
【サイズ】:83×203cm
【総重量】:総重量3400g
【中綿】:ポリエステル(化学繊維)
【収納サイズ】:φ31×49cm
【想定使用温度】:0℃~-5℃
気温-3℃で暑くて靴下を脱いだ。-5℃でも快眠できたという口コミ有り。重さ、収納サイズはソロキャンプ用テントと同じぐらいの化け物級寝袋です。(笑)
冬用寝袋としては破格な価格のため、重さと収納サイズを許容できるのであればアリです。
ベアーズロック FX-403

【使用温度】:快適温度:表記無し/下限温度:-15℃
【サイズ】:80×230cm
【総重量】:総重量2200g
【中綿】:BRウォーム®3D中空化学繊維(化学繊維)
【収納サイズ】:φ30×40cm
【想定使用温度】:5℃~0℃
1℃~6℃の環境でも寒さを感じなかったという口コミ有り。
セミレクタングラー型で寝心地が良いものの、足元はそこまで暖かくないため、標高が低い場所の冬キャンプに向いています。
窮屈な寝袋は嫌だ…という方にうってつけの寝袋です。
まとめ:適切な寝袋選びで快眠キャンプを楽しもう

寝袋選びは少し難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえれば大丈夫です。
寝袋の選び方を知り、季節に合った一枚を選ぶことが出来れば、快眠間違いなしのキャンプになるでしょう。
最後にもう一度、寝袋選びの失敗を減らすためのポイントをお伝えしておきます。
- 全季節分を一気に揃えない
- キャンプ場の最低気温を確認する
- 適切なサイズを選ぶ
ぜひこの記事を参考に、自分に合った寝袋を選んでみてください。
「ちゃんと眠れる」って、それだけでキャンプの満足度が上がります。
自分に合った寝袋でぐっすり眠って、気持ちのいい朝を迎えましょう!